藤井 貞和/著 -- フジイ サダカズ -- 花鳥社 -- 2024.9 -- 815

※所蔵欄の「帯出区分」が「貸出禁止」のものや、「状態」が「在架」のものは予約できません。

※奄美図書館からの取り寄せは、システムの関係上、来館しての手続きが必要です。

所蔵

所蔵は 1 件です。現在の予約件数は 0 件です。

所蔵館 所蔵場所 請求記号 資料コード 資料区分 帯出区分 状態
県図一般 2階閲覧室 815/フ024 0116293945 一般図書   在架

館別所蔵

館名 所蔵数 貸出中数 貸出可能数
県図一般 1 0 1

資料詳細

タイトル 文法の詩学
書名カナ ブンポウ ノ シガク
副書名 意味語/機能語の動態
著者 藤井 貞和 /著  
著者カナ フジイ サダカズ
出版地 東京
出版者 花鳥社
出版者カナ カチョウシャ
出版年 2024.9
ページ数 8,464p
大きさ 20cm
一般件名 日本語-文法 , 日本文学
内容紹介 物語や詩歌を読むことと、言語学のさまざまな学説たちとのあいだで生まれた、古典語界の言語を当時の現代語として探究する書。「物語を読む、うたに心を託す」ために必要な言語理論を案出する。
NDC分類(9版) 815
ISBN 4-86803-007-2
ISBN13桁 978-4-86803-007-2
定価 ¥6000

目次

序章 「あけがたには」の詩学
  1 <文法>と<詩学>
  2 <言語態>学の一環
  3 『国語学原論』の主語格、述語格
第一部 機能語が意味語を下支えする
一章 論理上の文法と表出する文法
  1 意味はどこにあるか
  2 「心」は意味か
  3 言外の意味
  4 意味を働かせるキー
  5 論理上の主格を支える深層
二章 時間域、推量域、形容域
  1 <前-助動辞>図
  2 krsm四辺形、krsm立体
  3 助動辞どうしの機能差-小松モデル
  4 世界の諸言語の<意味語、機能語>
三章 「あり、り」をめぐる
  1 「り」(~る、~ある)の成立
  2 「断定なり」には「あり」ar‐iが潜む
  3 「と」、「断定たり」
  4 「ざり、ず」(~ない)<否定する>
  5 活用語尾-形容詞のカリ活用
四章 起源にひらく「き」の系譜
  1 「さしける、…はヘけく」
  2 けく、けば、けむ、けり
  3 二行にわたる活用
  4 起源譚としての「し」
  5 史歌という視野から見る
  6 「き」=目睹回想は正しいか
  7 「まし」との関係
五章 伝来の助動辞「けり」-時間の経過
  1 動詞「来り」との関係
  2 「けり」の機能は時間の経過
  3 「科学的ないし客観的方法」(竹岡)
  4 確定的な未来へ注ぎ込む時間
六章 フルコトの過去、物語の非過去
  1 叙事文学の語り
  2 口承語りの文体-昔話
  3 フルコトの語り-『古事記』
  4 説話文学の「けり」と物語文学
  5 物語の叙述は非過去
七章 「はや舟に乗れ。日も暮れぬ」
  1 「ぬ、つ」を二つの焦点に
  2 急げば舟に間に合うか
  3 鳥たちが鳴き出さんとする
  4 「秋来ぬと」「おどろかれぬる」
  5 仮に身を事件の現場に置いてみる
  6 <完了>と<過去>と
  7 一語動詞からの転成
  8 「た」の発達と「ぬ」の消長
八章 <いま、さっき、つい先刻>-「つ」
  1 いましがた起きた
  2 「つ」と「ぬ」と
  3 ~となむ名のり侍りつる
  4 想像と行為、あるいは未来
  5 上接する語から「ぬ」と「つ」とを区別する?
九章 言文一致と近代-「た」の創発
  1 古典のなかの「た」のあらわれ
  2 古典の口語文に見る「た」
  3 「だ」調常体とは
  4 「たり」からの距離
  5 <歴史的現在>とは
  6 地の文の成立ということ
十章 推量とは何か(一)-む、けむ、らむ、まし
  1 人類は疑心暗鬼する動物
  2 音韻が結合する
  3 推量と意志と未来
  4 まく、まほし、まうし
  5 けむ(~たろう)
  6 らむ(いまごろは~だろう)
  7 「まし」(~よかったのに)
十一章 推量とは何か(二)-伝聞なり、めり
  1 伝聞なり<耳の助動辞>
  2 「ななり、あなり」-活用語終止形への下接
  3 「はべなり」と「侍るなり」
  4 「めり」(~みたい)<見た目>
十二章 推量とは何か(三)-べし、まじ
  1 推量と意志-べし、べらなり
  2 ましじ
  3 まじ
  4 「らむ、らし、べし」三角形
十三章 らしさの助動辞-「らし」
  1 接尾語「らしい」とは何か
  2 古語化し、再生する平安時代の「らし」
  3 「不平み坐すらし」「置目来らしモ」
  4 香具山にかかる夏雲
  5 「あらし、らし」
十四章 し、じ、たし-形容、否定、願望、様態
  1 前-助動辞図
  2 「あし」asi-形容辞
  3 否定辞-じ、ず、ざり、に
  4 程度を否定する「なし」
  5 願望-「まほし」から「たし」へ
  6 ごとし、やうなり
十五章 「る、らる」「す、さす、しむ」
  1 「る、らる」の四機能とは
  2 自然勢(いわゆる自発)
  3 不可能と可能態
  4 「る、らる」は「受身」か
  5 『万葉集』の「ゆ、らゆ」
  6 「る、らる」の敬意
  7 「す、さす」および「しむ」
  8 高い尊敬
第二部 機能語が意味語を下支えするその二
十六章 助辞の言語態
  1 格助辞のグループ
  2 副助辞
  3 八種の係助辞の配置
  4 文末の助辞群
  5 投げ入れる助辞群
  6 接続助辞のグループ
  7 いわゆる格助詞の「接続助詞」化問題
  8 助辞、助動辞の相互の関係
十七章 「は」の<主格補語>性-「が」を覆う
  1 主体的意識による表現
  2 <主格~所有格>の「が、の」
  3 「が」の上に立つ「は」
  4 御局は桐壺なり-差異化としての「は」
  5 「も」は<同化>
  6 「対象語」(時枝)について
  7 「周布」という視野
第三部 意味語の世界
十八章 名詞の類-自立語(上)
  1 基本となる構文
  2 「何がどうする」「何がどんなだ」
  3 「何が何だ」構文
  4 主格の形成
  5 格
  6 性/数、数詞
  7 代名詞
  8 固有称
  9 連体関係節と吸着語
十九章 動く、象る-自立語(中)
  1 世界の諸言語の活用のあるなし
  2 動態詞一類の語幹-<カ変、サ変、下二段>
  3 動態詞一類の語幹-<上一段、ナ変、上二段、ラ変、下一段、四段>
  4 動態詞二類(形容詞)と語幹
  5 活用語尾「じ」
  6 動態詞三類(形容動詞)
  7 E尾とC辞とのつながり
  8 音便と活用形
  9 敬語動詞、敬語補助動詞
二十章 飾る、接ぐ-自立語(下)
  1 副詞(作用詞、擬態詞)
  2 連体詞(冠体詞)
  3 接続詞
  4 感動詞(間投詞)
二十一章 <懸け詞>文法
  1 地口・口合いと懸け詞との相違
  2 “二重の言語過程”
  3 “一語多義的用法”
  4 うたの全体感
  5 表現者の格という文法
  6 同音を並べる技法について
  7 「二重の序」を持つうた
  8 双分観を超えるために
第四部 人称と語り、表記
二十二章 物語人称と語り
  1 紫上をかいま見する
  2 会話文、心内文
  3 四人称と人称表示
  4 「見返る」女三宮、見たてまつる柏木
  5 「見あはせたてまつりし」
二十三章 語り手人称と作者人称
  1 物語の文法と談話の文法
  2 ゼロ人称=語り手人称
  3 作者人称=無人称
  4 読者の人称は
  5 作中にはいってゆく
二十四章 自然称と和歌表現
  1 自然称、鳥虫称、擬人称
  2 詠み手の「思い」
  3 うたの真の主体とは
二十五章 漢字かな交じり文
  1 “文法”は意味世界から独立する
  2 脳内の内部メモリー
  3 意味語/機能語と書くこととの対応
  4 表意文字と表音文字
  5 ひらがなの成立
  6 漢字かな交じり文と近代詩
終章 言語は復活するか-言語社会に向き合う
  1 投げかけることばでなければ
  2 詩は粒子かもしれない
  3 原子的な単位-ソシュール
  4 言語過程説の提唱に至る時枝
  5 アオリストへの遠投
  6 「ことばは無力か」に対して答える